池田の歴史関係図録
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画像:江戸時代の池田江戸時代の池田
The picture of the Ikeda
(池田市立図書館蔵)

1814年(文化11)に発行された呉江奇覧に描かれた池田の様子です。手前に流れる川は猪名川です。この呉江奇覧は、池田史談会が1925年(大正14)に発行した池田叢書第四編で、1696年(元禄9)に発行された呉服絹と呉江奇覧を併せて復刻されたものです。この復刻版は、1970年まで池田で造り酒家を営まれていた岸上家が中心となってつくられたようで、冒頭にその経緯などが書いてあります。同家から後に池田市立図書館に寄贈されたものが現在も閲覧できます。

 さて、当時の池田の様子がこの絵からよくわかります。天秤を担ぐ人、猪名川を渡る橋、材木置き場、お寺の大屋根など色々なものが描かれています。また、今はもうない桜橋が描かれていたり、中央の大きな橋は呉服橋です。今ではすっかり近代的な橋に生まれ変わっていますが、当時はこんな橋だったのですね。それから、この呉服橋の袂では、義民の話しが残されています。重税耐えかねた村の庄屋さんのチョンベイさんが、ここを通る統治者のお殿さんに減免の強訴を決行します。その甲斐あって願いは聞き入れられましたが、チョンベイさんは強訴の罪で処刑されました。今もその遺徳は後世に知らせようと、畑にチョンベイさんの祠が残されています。そんなこともここであったようです。

 今では、水害が無くなったのと引換に昔ながらの景観はなくなってしまいましたが、こういった絵から昔の様子を知ることは貴重ですし、後世の私達がそんな過去から学ぶ事も多いような気がしています。

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