池田氏関係の図録
井戸の辻(高札場)井戸辻(高札場)
The center of the Ikeda town near a well

 能勢街道沿いに栄えた町が東本町・西本町があるところでその分岐点に井戸があったようでその名がついていたようです。また、江戸時代(その前にもあったのだろうか)には高札場があり、事実上池田村の中心地だったところです。今は当時の遺物等は無く、写真のように商店街となっています。
 能勢街道というのは当時の主要道で人の往来もかなり多く、池田の目貫き通りでした。街道を大坂へ進むと途中一旦池田城内を通らなければいけない構造になっていました。戦国時代にはもう東本町・西本町に商家があったようなので、有事の際には、御用商人等は城内に逃げ込んだのでしょう。
 世が織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の世と移り変わり、次第に大平を迎えつつある頃、滅んでしまった摂津池田家の旧家臣は、三々五々元の池田城下に集まり、再び土着して後、様々な特権を得ていたようです。元家臣等はこの付近一帯に住み商売をする等していたようです。
 また、江戸時代にはこの通りに酒家・酒蔵等が立ち並んで元禄時代には酒の町池田として繁栄を極め、その中心地もまたこの井戸の辻(高札場)あたりでした。往時には38軒もの造酒屋があり、江戸にもその名が知れていた程です。
 ちなみに写真に写っている正面の角の家は、池田に滞在し多くの作品を残した画家呉春(松村 月渓)が一時身を寄せていた井筒屋の跡で、二階に住んでいました。ここで彼は31才の春を迎えるにあたって改名します。池田の古名、呉服(庭)で春を迎えるにあたって「呉春」としました。この名は、今も有名な池田酒「呉春」として使われています。

マップ(詳細図)はA-イ



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